ねこまるです。
膝。痛くなったことありますか?
急に曲げ伸ばしが出来なくなったとかありませんか?
膝の痛みは、スポーツを一生懸命やっている人や、ご高齢の方からよく相談を受けます。中には子供も相談に来てくれることもあります。
同じ膝の痛みでも、原因はみんな違っていることが多いかなって思います。
スポーツ諦めないとダメかなとか、もう歳だからとか。色々なことを言われますが、正確に病態の理解をする必要があるかなと思います。
最近の経験と勉強を元に、膝の痛み(特に半月板)についてまとめてみました。
Table of Contents
膝の痛みの原因
まず、膝に痛みを感じたらなんで痛くなったのか、詳細に診てもらう必要があります。特に繰り返している場合や、長期に渡って痛みが残っている場合は整形外科の受診対象です。
そこで、レントゲンやCT、MRIなどの検査を行って医師に診断をしてもらいましょう。
そこで診断名が付くわけですが、半月板損傷、タナ障害、膝内障や変形性膝関節症。膝の靭帯損傷、靭帯炎など色々な診断名が付けられます。
膝の痛みの原因として多く経験する診断名の1つは、半月板損傷です。特にMRIで診断されることが多いです。足を色々と動かす検査をして、損傷が明らかになる場合もあります。
半月板は実は、神経や血管が少ない組織なんです。すなわち、損傷しても痛みを感じにくい組織と言われています。損傷の仕方にもよりますが、ささくれのようなビラビラができてしまい、そのビラビラが色々なところを刺激するために痛みが出るとされています。
半月板があるおかげで、半月板の下に隠れている軟骨が保護されています。なので、半月板が損傷することにより軟骨への負担が増えて、軟骨がすり減ったり、損傷したりということが起きてくるようです。
具体的な半月板損傷の症状は?
・水がたまる(腫れる)
・膝が曲がらない(伸びきらない)
・痛みがある
以上の3つが代表的です。
水がたまる(腫れる)について
半月板損傷をしてひどい場合は、膝が腫れます。膝は関節を包む袋で覆われており、その中に水がたまります。多く水が溜まっている場合は、注射器で水を抜くこともあります。通常の膝にたまる水は黄色っぽい色をしていますが、損傷があり患部から出血している場合は、血の色になっていることもあります。
膝が曲がらない(伸びきらない)について
半月板損傷をしている方、全員に当てはまるわけではありませんが、ロッキングという症状が出る方がいます。急に損傷している半月板が挟まり、伸びなくなったり、曲げられなくなったりします。原因としては、半月板が損傷して骨などの動きを妨げていることが原因なので、一時的にロッキングが起こりづらかったり、治ったかのように軽快することもあるみたいです。逆に、全然ロッキングが外れずに数ヶ月そのままという例もあるそうです。
ロッキングにまでならなくても、膝を動かした時に引っ掛かりを感じるというのも症状の一つです。
痛みがある
単純に痛いです。損傷する箇所により痛みが出るポイントが違ってくる可能性があります。膝を伸ばした時に痛む方もいれば、曲げた時に痛みが出る方もいます。歩く時に痛みが出る方もいれば、階段で痛みが出る方もいます。症状の出方は人それぞれなので、一概にこの時に痛みがあったら半月板損傷と言うことは難しいです。損傷があっても、痛みが無い方もいるそうです。
半月板損傷だったと思ったら筋肉の痛みだったとか、その他の組織の痛みだったなんてこともあります。動作や姿勢が原因で筋肉などに負担がかかっていて、痛みに繋がっている例もあります。信頼のおける理学療法士などに、相談してみると良いかもしれません。
半月板が損傷すると、膝の軟骨に大して負荷がかかるようになるので、軟骨の損傷を合併する例もあります。しっかりと半月板損傷した場合は、膝にかかる負荷量は2倍に跳ね上がるそうです。ただでさえ、平地歩行では体重の3倍の負荷が膝にはかかると言われていますので、大変な負荷量になりますね。
半月板損傷って治るの?
手術をしないで、痛み止めを服用したりリハビリで治していくやり方と、手術で縫合するやり方、手術で切除するやり方があります。損傷の場所や程度によって医師が判断します。最近では、手術は縫合をすることが多いようです。
自然治癒するかどうかの境界線は、損傷する箇所にあるようです。文献によると、半月板外側1/3は血流があるため、治癒しやすいと言われています。逆に内側2/3では血流が少ないため、自然治癒はのぞみにくいそうです。MRIで大体の損傷箇所がわかるはずなので、主治医とよく相談して治療方針を決めてみましょう。
円板状半月?
半月板損傷は聞いたことがあると思いますが、円板状半月って聞いたことが無い方も多いと思います。通常の半月板は、いわばバームクーヘンの外側だけのような形状になっていますが、円板状半月は中央までびっしりと組織があるような半月板のことを言います。中央部の繊維はバームクーヘンのように規則的に揃っていなく、不規則な配列になっているため、うまく圧を逃す機能が少ないです。なので、損傷しやすいとされています。
アジア人に多いらしく、ロッキングなどの症状が出て初めて気づく場合が多いそうです。遺伝的な要素もあるらしいです。
治療としては部分的な切除を行い、正しい半月板の形にする物が多いです。
いかがでしたでしょうか?半月板についてなるべく簡単にまとめてみました。とにかく痛みがあったら、お近くの整形外科に行って診察を受けてみてください。
それでは本日はこのへんで!
参考文献
古賀英之ほか:予防に導くスポーツ整形外科
丸山盛貴ほか:外側円板状半月切除後にロッキング症状を生じた OCD の 2 例
Sportsmedecine 2013 No.149 :半月板損傷とその治療
など。