トレーニング

テレワークで生じたぽっこりお腹の原因は大腰筋にあった。

最近は座って作業することばかりだし、姿勢が悪い時間が長かったな。家にいる時間も長いし、なんだか最近お腹が出てきたな〜。どうにかならないかな。

 

そんなあなたのお腹の悩みにお答えします。

 

本記事の結論

テレワークで悪い姿勢が続いたせいで、大腰筋の機能低下。その結果、ぽっこりお腹になってしまった。

 

それでは深堀りしていきます。

 

お腹がぽっこりする理由

結論、姿勢です。姿勢の影響がかなり大きいです。

姿勢が悪くなると筋力が低下したり、筋肉が硬くなったり、代謝が落ちたりします。

便秘やそもそも肥満傾向ということもあるかと思いますが、体脂肪率が低い人でもぽっこりお腹の方はいます。そのような方は、間違いなく筋力や姿勢の影響です。

 

では姿勢が悪いと、どのような影響が出てくるのか解説していきます。

姿勢が悪いと出てくる影響

骨盤が後傾する

最近自宅で仕事する人増えているのではないでしょうか?ノートパソコンが会社から支給されている人も多いかと思います。

自分の机や、ダイニングテーブルで仕事を長時間していると思います。

そこで、気にかけてみて欲しいのは座っている姿勢です。

悪い姿勢になっていませんか?

おそらくほとんどの方が悪い姿勢になっていると思います。

具体的には、背もたれに寄りかかり、猫背になり、骨盤が後ろに倒れて、頭が前に出ている姿勢になっているのではないかと思います。

正直この姿勢は最悪です。理由は2つあります。

・筋肉をほとんど使わない姿勢なので、筋肉が短縮したり、筋力が低下しやすい

・首や腰に負担がかかるため、のちのちヘルニアや痺れなどが出てくる可能性がある。

 

以上です。なので、骨盤はなるべく立てた状態で仕事できるように椅子の高さなどを調整するといいです。

 

人に見られている環境じゃないから、余計に姿勢も悪くなりやすいと思います。

 

体幹(腹筋や背筋)の筋力低下(背骨の支持性低下)

骨盤が後傾することによりお腹周りの筋肉がたるみやすくなります。

たるんだ状態では筋肉も力が出ないため、筋力が落ちていきます。

体の深部にある大腰筋も力が落ちていきます。

大腰筋の力が落ちると、背骨を支える力が弱まるため、背骨周りにある筋肉に負担がかかりやすくなり、腰痛が出やすい環境になります。

腰痛がある人は、大腰筋の筋肉が痩せて細くなっていたという研究のデータもあります。

また、大腰筋の筋力がしっかりとある人は、背骨周りの筋肉をそれほど使用していない(硬くなりにくい)というデータも出ています。

なので、腰痛がある方は大腰筋の筋力低下が起きている可能性も考えられます。

 

大腰筋短縮

骨盤が後傾することにより、大腰筋がたるんだ状態になりやすくなります。

この状態だと、足がO脚方向(ガニ股方向)に引っ張られる状態になるため、膝に負担がかかり始めます。

また、ジャンプ競技を行う人では、ジャンプした時のあしの付け根(股関節)がしっかりと伸びきらないため、ジャンプの高さが低くなったり、パフォーマンスが低下します。

ジャンプ動作には、股関節、膝、足首がしっかりと伸びることが必要になりますので、準備体操でしっかりと股関節、膝、足首が伸びる状態を作っていくことが重要です。

 

大腰筋の機能改善でぽっこりお腹が改善する理由

骨盤が前傾しやすい

まず骨盤の傾きが大きく影響します。

大腰筋が伸びることにより、股関節が伸びやすくなり、いい姿勢になりやすい環境が整います。

骨盤がしっかりと立つことによって、お腹周りの筋肉にも力が入りやすい環境が出来上がります。

骨盤が起きてくることによって、背骨全体にいい影響を及ぼす可能性あります。

ストレートネックと呼ばれている首の骨の湾曲不足や、猫背の解消、腰の痛みの改善も期待できます。

また、お腹周りがしっかりしてくると、肩甲骨の動きもよくなるため、肩こりや四十肩・五十肩の方も症状が改善する可能性があります。

肩に関しては、また別の記事で詳細に解説していきたいと思います。

姿勢がよくなると、いい影響がいっぱいあります

 

歩幅が大きくなる(体幹回旋が出てきて腸の蠕動運動が多くなり、便秘解消へ)

大腰筋の柔らかさが出てきたら、股関節が動かしやすくなります。そのため、歩幅の向上や歩行速度の向上が期待できます。

大腰筋の筋力と歩行速度の関係も研究で明らかにされています。研究の結果、大腰筋の筋力があるほど、歩行速度が速い結果が出ています。

もっと高いパフォーマンスでは、大腰筋の筋力が強いと、走るのが速いと言われています。

少し話がずれましたが、歩幅が大きくなると体幹や股関節の筋肉が使いやすくなり、基礎代謝が向上します。その結果、痩せやすい体になります。

体の捻りが大きくなるので、腸の動きをよくする効果も期待できると思います。

 

大腰筋を使えるようにストレッチ

パピーポジション

肘をついてうつ伏せになるストレッチです。

肘で支えて背筋には力を入れないことが特徴です。余裕がある人は、手の平で支えるように肘を伸ばしてストレッチしてみましょう。

5秒を目安に5回程度行ってください。

この姿勢が辛い人は、胸のところにクッションを入れて行っても大丈夫です。

 

胸椎を伸ばすストレッチ

以前に猫背解消の記事でも紹介したストレッチです。

肩甲骨の下にバスタオルを入れて、膝を立て、バンザイをします。

詳しいストレッチの内容は下記の記事にも書いてありますので、参考にしてください。

 

 

大腰筋の筋力強化

フロアエクササイズです。

頭を持ち上げて、鍛えたい足と反対側の足はしっかりと曲げます。その状態から足をできるだけ高く振り上げます。

頭を上げることによって、腹筋に力を入れつつ、体幹の安定性を上ます。

反対側の股関節を屈曲させておくことによって、腰の負担を軽減します。

その状態で45°以上を目安にして足を振り上げます。高く上げられればできるだけ高く上げてください。負荷量足りない方は、重りをつけて行っても大丈夫です。

大腰筋は股関節を深く曲げた時に働きやすいです。目安は45°以上と言われています。角度が低いと、太腿の筋肉ばかりを使ってしまうので、大腰筋に効きにくくなりますので注意が必要です。

プランク

肘と爪先で支えるプランクです。

プランクで大腰筋が多く働く結果が出ています。定番のトレーニングだとは思いますので、取り入れてみましょう。きつい方は、膝をついて行っても良いです。

 

まとめ

いかがでしたか?家にいる時間が長くなっていると、姿勢が悪い時間が長いと思います。悪い姿勢の影響はいろいろな場所に出るので、定期的なストレッチや筋トレが必要になると思います。

今回ご紹介した大腰筋ですが、実はこの大腰筋の間から足に向かう神経が出ています

なので、大腰筋が硬くなると神経を圧迫するため、そけい部や足に痛みが出る場合もあります。学生さんなどの若い人でも原因不明の痛みが出る場合があって、大腰筋のストレッチをしたら改善したという例もあるくらいです。

一時期流行った「大腰筋」ですが、今後、活動量が少なくなる社会になると予測しますので、ますますストレッチの重要性が出てくると思います。

まずは無理なく、軽めにストレッチから始めてみるのはいかがでしょうか。

それでは今回はこの辺で終わりにします。

 

阿久澤 弘:大腰筋の機能―Rachel Park先生の研究より 2015

大久保 雄:大腰筋の運動中の機能についてー筋電図研究より 2015

鈴木 岳:ファンクショナルトレーニング理論に基づく大腰筋エクササイズ 2015

多田 久剛:パフォーマンス向上からみた大腰筋(腸腰筋)エクササイズ 2015

太田 邦昭:腸腰筋症候群(仮称)の姿勢矯正体操による改善 2014

丹羽 滋郎:腸腰筋への着目と臨床を通じた経験から 2014