そんな足首に不安と抱えているあなたに送りします。
まず最初に結論を箇条書きで書きます。
・足首周りの痛みが残る後遺症
・将来的に足首の関節が変形する後遺症
・捻挫しやすくなるような足部のアライメント(形)の変化
・足首を始め、股関節も含めた筋力低下
以上が、後遺症の結論です。
足首の捻挫は膝や股関節にも影響を与えます。
ひどい場合は将来的に足首の変形を招いたり、膝が悪くなったりします。
研究では、正しく対処をしなければ、4年後にも約半数の人が足首に痛みを抱えた状態が続いていたというデータがあります。
捻挫くらい放っておけば治ると考えているあなた。
きちんと治療をするきっかけになっていただければと思います。
それでは、深掘りしていきます!
・足首の捻挫の後遺症
・後遺症に対する対処法
・後遺症にならないために
・まとめ
Table of Contents
・足首の捻挫の後遺症
前方インピンジメント症候群
捻挫でよく損傷する足首の外側の靭帯(前距腓靭帯といいます)の機能不全が原因で、足首にはまり込んでいる骨(距骨と言います)の前方への亜脱臼(ちょっとずれていること)を認める場合があります。
足首がかえる運動(背屈)をするときには、距骨は後方へ滑り込み、足首の前面で詰まる減少を防ぎます。その滑り込みが起きなくなり、足首の前で挟み込みや骨どうしの衝突が起こり、足首の前方で炎症などが起こる現象です。
足根洞症候群
外くるぶしの少し前方に凹みがあります。そこの近くには靭帯があり、その靭帯を損傷し、出血したり、炎症を起こした組織が硬い状態になったりすると、慢性的な痛みが生じます。治療法としては、足首周りの筋トレをしたり、炎症止めの注射を打ったり、場合によっては手術も行います。
変形性足関節症
足首の軟骨がすり減って、足首の関節の隙間が無くなってしまう状態です。
一度変形してしまうと、骨の形を治すことは困難です。
リハビリで痛みが少なくなるように筋トレなどをしたり、サポーターを着用したりする必要が出てきます。
変形に対する手術もあり、最悪は足関節の固定や人工関節の手術をする場合もあります。
足のアライメント変化
捻挫をすると足部のアライメント(形)が変化します。細かいことを言ってしまうとキリがないので割愛しますが、結論としては捻挫しやすい形に変化するそうです。
なので、適切な足の形になるようにインソールで調節したり、テーピングを使用したり、捻挫しにくい形になるように筋トレしたり、対処をする必要があります。
筋力低下
捻挫後に筋力低下が起きます。程度にもよるとは思いますが、しばらく足をつけない状態が続いた場合は、足部意外も筋力低下が起きます。
足をつくことができたとしても、足を引きずるような歩き方になっていても同様です。
筋力低下が起きてくる具体的な筋は、ふくらはぎの筋肉、足の指を曲げる筋肉、お尻の筋肉などです。
これらの筋力が落ちてくることで、パフォーマンスが落ちる動作はジャンプ・着地動作・切り返しなど様々です。バランスも悪くなり、膝への負担も増えてしまいます。
筋力が低下するだけならいいですが、筋肉の反応が遅くなる現象も起きてきます。
通常、足の筋肉を使ってバランスをとったり走り出したりするときに、どの筋肉をどのように力を入れてって、意識していないと思います。無意識に筋肉を動かしているんです。
そして、今までの動いてきた経験から運動のイメージがあって、そのイメージ通りに体が動いていたと思います。
しかし、反応が遅くなると、イメージと実際の体の動きに違いが出てしまい、新たな怪我につながります。
・後遺症に対する対処法
基本的には関節の動きをしっかりと獲得して、本来の動きを取り戻すことが重要です。
特に足首のかえり(背屈といいます)が、しっかりと出ることが重要になってきます。この背屈がしっかりと出ないとすでに述べてきた前方インピンジメント症候群になります。
筋力が低下する部分があるため、その強化も必要です。具体的には中臀筋・大臀筋というお尻の筋トレや、ヒラメ筋・腓骨筋など足首周りの筋トレも重要になります。
また、荷重練習を行うことや、バランス練習も効果的とされています。
バランス練習はバランスディスクやBOSUなど、足で乗る形の不安定板を用いてバランス練習をすることが望ましいです。
おそらく最初はふらつくと思いますが、足部の反応を出していくことが目的なので、最初はふらつきが多くても大丈夫です。安全を確保した上で、なるべく足部の反応が出るように、膝をしっかりと伸ばした状態でチャレンジしてみてください。膝を曲げた状態だと、股関節が働く要素が多くなってしまいます。
・後遺症にならないために
各病期で、正しく対処することが大事です。
怪我をしてすぐの時期
怪我したての状態では一般的にRICE処置が必要と言われています。
具体的な方法は、日本整形外科学会のHPに記載されているので、参考にしてください。https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/athletic_injury.html
患部外の筋トレや膝立ちでの練習などはこの時期から行なっていくと、筋力が低下するのを防ぐことが出来ます。
痛みが引いてきた時期
痛みがひいて、荷重をかけられる時期になってきたら徐々に負荷をかけていきます。
つまさきにゴムバンドを巻いて引っ張ったり、爪先にゴムを巻いて足首を下に倒す(底屈と言います)の練習などが良いでしょう。特に底屈の練習は、底屈最終域での出力が出にくいので、なるべくしっかりと爪先を倒すと効果的です。このとき、足の指で頑張りすぎず、足の裏の肉球のような肉厚の部分で負荷を受けるようにすると、効率よくふくらはぎを鍛えられます。
日常生活が普通に送れる時期
日常生活が普通に送れるようになったら、荷重をかけながらのトレーニングになります。
自分の体重を使って爪先立ちをしたり、バランスボードなどのバランス練習もこの位の時期からになります。だいぶ痛みも引いている頃だと思うので、徐々に積極的に動くようにしていきます。
スポーツ動作を行う時期
荷重をかけながらのトレーニングに問題がなくなってきたら、今度は各スポーツに特有の動きを練習する段階です。
足首の不安定性があったり、再び捻挫をすることが怖い場合は、サポーターを着用したり、テーピングを使用していきます。
研究によると、サポーターの使用で70%ほど捻挫を軽減できたとの報告もありますが、最適なテーピングやサポーターの種類は明らかになっていません。選手の好みに合わせて使用していく感じになっています。
・まとめ
いかがでしたか?足首の捻挫の後遺症の怖さが少しは伝わったかと思います。無理ができてしまう怪我だからこそ、後々重症化しやすくなりますし、スポーツが好きな方は、大人になってからのスポーツができない状態になってしまうかもしれません。
自分の子供が生まれて、一緒に運動ができないとか、運動会で子供と競技に参加できないとか、そんなの悲しすぎますよね😭
なるべく重症化しないように、早めの対処をしていく必要があると思います。湿布を貼って終わりでは、あまりにも治療がたりません。なかなか専門家に出会う機会も少ないとは思いますが、今回記事にした内容で気になる部分がある方は、是非お近くの整形外科を受診されてはいかがでしょうか。