そんなスポーツマンのあなたにお応えします!
最初に結論です。
再開の目安はサイドホップテストの数値次第。
痛みが出なくなったら、バランス練習をしましょう。
以上の2点です。
それでは詳しく解説していきます。
・サイトホップテストとは
・足首の捻挫後のパフォーマンスの低下
・運動再開までにやっておいた方がいいトレーニング
・運動再開時に注意すること
・まとめ
Table of Contents
・サイドホップテストとは
まず、冒頭で触れたサイドホップテストについて解説していきます。
サイドホップテストとは、30cm間隔で引かれた距離を片足で10往復するまでのタイムを計測するテストのことです。
捻挫をした人はこのテストの成績の低下が見られます。
なので、捻挫していない側のタイムと比較すると、どの程度自分の身体機能が改善したのか判断できると思います。
片足で複数回ジャンプして飛距離を測るテストもありますが、飛距離を見るテストでは健康な側との差が出にくいとされているため、スピードを計測するテストの方がパフォーマンスを適切に把握できるとされています。
先ほどからパフォーマンスの低下と言っていますが、捻挫後のパフォーマンスの低下は具体的にどのようなものになっているのか見ていきます。
・足首の捻挫後のパフォーマンスの低下
結論、片足での素早い方向転換能力が低下します。
素早い方向転換には着地から次の踏切までをスムーズに行う必要があります。しかし、着地の準備から次の踏切の準備まで、足首周りは色々な働きをしているんですね。
それぞれの相の足首周りの働きをもう少し深掘りしてみましょう。
・着地の準備動作
腓骨筋やふくらはぎの筋肉が事前に収縮し、衝撃に備える段階です。主に空中での姿勢と思ってもらって問題ないです。
捻挫をしている人だと、筋肉に力が入るタイミングが遅くなったり、そもそも筋肉に力が入る反応が低下している可能性があります。
・衝撃吸収
足首周りの筋肉を使って、衝撃を吸収する段階です。着地動作はつまさきから行うので、準備段階でどれくらい反応が出ているかが勝負になります。
足首周りの筋力の低下や反応の低下が見られていると、着地の瞬間のごく短い時間の中でしか衝撃吸収をすることができなくなります。
本来はつまさきで着地し、足の指や足首で衝撃吸収を行います。これができなくなると、膝や股関節での衝撃吸収となりますし、足の裏を「ベタッ」とつくような着地となるため、そもそも衝撃が大きいです。
足首で衝撃吸収をしきれない場合は、膝や股関節を深く曲げて対処するため、着地後の重心が下がり、次の動作が遅くなります。
・次に踏み切るまでの準備
着地をして衝撃吸収をしたら、次の動作に向けての準備をします。
衝撃吸収がうまくできないと、ふらつくため、体を安定させるまでに時間がかかり、次の動作にうつりにくくなります。ここで無理をしてしまうと、場合によっては膝の靭帯の損傷など、もっと大きな怪我になるかもしれません。
・踏み切り
足首を骨折している人ではふくらはぎの筋肉や、股関節まわりの筋肉が落ちてしまうため、ジャンプ動作をみても怪我前よりも劣る部分があると思います。
現状でわかっている怪我の影響を書いてきました。これらの状況を踏まえて運動開始までにどのような運動を行なっていった方が良いか解説します。
・運動再開までにやっておいた方が良いトレーニング
結論はバランス練習です。捻挫に対する国際的な臨床ガイドラインでも、バランス練習を取り入れると良いとされています。
バランス練習を始める時期としては、普通に日常生活が痛みなくできるようになってきた時くらいからです。
バランスをとると言っても、足の反応は無意識に調整していますよね。
次は右!次は前!なんて自分で動かしていないはずです。
このような反応は「反射」と言って、無意識の運動なんです。
足首の靭帯や皮膚にセンサーがあり、センサーからの情報でバランスをとることが可能になっています。
しかし、捻挫をすると、足首の靭帯や皮膚などに存在するセンサーの働きが鈍ります。
さらに、足首周りの筋力も落ちますので、反応が出ても支えきれないという状態に陥ります。
だから姿勢の安定性が低下するんですね。
バランスの練習は、不安定なクッションの上でスクワットを行ったり、キャッチボールをしてみたり、競技の内容に合わせて行うと良いと思います。
・運動再開時に注意すること
まず決して無理はしないことです。
もし完治していなくて、競技中に痛みが出るようであれば、その試合は休んだ方がよいと思います。
無理ができてしまう怪我だからこそ、注意が必要になります。
・必要に応じてサポーター・テーピングを使用する
今はいいサポーターが色々と出てきました。
研究によると、サポーターを装着することによって捻挫の再発率が70%も減ったというデータもあります。ただ、足の感覚的に合わないようであれば、無理して装着する必要はありません。
柔らかいサポーターから強固なもの、薄いものなど様々です。
自分の気に入ったサポーターを見つけるのも良いと思います。
テーピングに関しても同様です。伸縮性の無いテーピングではなく、伸縮性のあるテーピングを選んだ方がうまく捻挫をしない方向に誘導することができると思います。
・まとめ
いかがでしたか?捻挫は決して油断することができないスポーツ外傷です。構造的にも不安定になりやすいですし、筋力の低下も起きます。長くスポーツをしたい方には必須の知識だと思います。怪我をしないことが一番ですが、もし怪我をしてしまったとしても、適切に対処することで復帰は出来ます。
一人でも多くの方にこの知識が届けばと思います。
今回はこれで以上になります。